
女の子を帰してから、何ともいえないビミョーな気分をかかえたままホテルのインスタントコーヒーを淹れて飲んだ。
お湯を入れすぎたせいで味はうすく、あんまり美味しくなかった。
まるで、ついさっきのプレイのようだ……。
僕はそんなことを思いつつ、テレビのアダルトチャンネルをつけた。
そして、さっきの“まぐろちゃん”とは正反対に激しく身をよじらせて喘いでいるAV女優の姿を見て、パンツを脱いだのである。
というわけで、今回は宇都宮市の片隅でビミョーな90分を過ごした――その顛末を書いていこうと思う。
決して地雷店ではなく、地雷嬢ではなかった(たぶん)。
利用したのはデリヘル【SWEET CANDY】である。
何度かキモチよく遊んだ店だった。
デリヘル【SWEET CANDY】では、これまでに何度か気持ちよく遊興を楽しませてもらった。
在籍する女の子のレベルはそれなりにイイ。素人っぽさがウリだ。
僕が前に選んだ嬢はキス好きで、唇が腫れるんじゃないかと思うくらいディープキスしまくった思い出がある。
まさしく“甘いキャンディ(ピーチ味)”のようなキスだった。
最近は出勤していないけれど、元気だろうか、「く○」ちゃん……。
料金も良心的なレベルで、簗瀬町・川田町のラブホテルを利用すれば基本料金は90分20,000円。
その日も、長すぎず短すぎない定番の90分コースをチョイス。
簗瀬町のラブホテル【フェアリーキッス】103号室のマッサージチェアに座り、肩を激しく揉みつぶされつつ指名した「か○で」ちゃんを待っていたそのとき、――日曜日の午後9時を過ぎたところ。
僕は期待に胸を震わせていた。
業界未経験!イチャイチャ受け身好き!
さかのぼること3時間前の午後6時。
前日、友達と焼き肉をたらふく食べてタンパク質が溜まりに溜まっていたせいで、あるいは昼過ぎまでたっぷり寝たせいもあってか、目が覚めた次の瞬間からムラムラが走り出して止まらなくなっていた僕。
ありていに言えばチ●コビンビン状態であり、――これは受け身のピチピチ女子を摩擦熱で燃えるほど激しく責めまくってアンアンいわせるプレイをすることでしか満たされない!という感じだった。
というわけでヘブンネットをひらき、じっくりためつすがめつして、【SWEET CANDY】の「か○で」ちゃんを見出したのである。
混浴イチャイチャ恋人プレイに惹かれて
前から気になっていた嬢だった。
プロフィールによると、彼女は「丁寧接客」の「混浴イチャイチャ恋人プレイ」を好む20歳。受け身派で恥じらいたっぷりの反応が男心をそそる
――そんな女の子であるとのこと。
将来の夢は「ケーキ屋さん」というところもカワイイ感じ。
ファンシー系の素人タイプだ。
肩のあたりで切りそろえられた清楚系のヘアスタイル。
健康的な色合いのつやめく肌。
胸には、楚々としたBカップのふくらみ――以上の外見データも、写メ日記から得た。
ぜひ舐めまわしたいタイプである。
今日、僕は彼女の“2番目の男”
午後6時過ぎ、【SWEET CANDY】に電話をかける。

お電話ありがとうございます。
SWEET CANDYでございます
どことなく初老の雰囲気が声ににじむ店員氏が出る――この前は若いニィちゃんだったのだが。
“SWEET CANDY”の発音がキレイである。

あのー、予約を……

ご予約。本日ですか?

あ、はい今日でお願いし……

本日で。ありがとうございます。
お目当ての女の子はいらっしゃいますか?
食い気味に話を進めてくるオジサン店員。

「か○で」ちゃんを……

「か○で」で。わかりました。
お時間のほうですが、20時出勤でございまして、
さっそくご予約が入っておりまして――
なんと!もしかして今日は予約完売というやつか!?

――最速ですと21時半ほどになるかと思われますがいかがでしょうか
持論。素人タイプは2番目を持っていけ
イイじゃないか。
というのも、そもそも素人タイプの女の子を相手にする場合は“2番目の男”になるくらいがちょうどいい、というのが僕の持論なのだ。
何しろ男と顔を合わせた瞬間にシャキッとエロモードになれるプロとは異なり、
素人タイプのコは出勤イチバンだと心やカラダがまだほぐれておらず、濡らすまでに少々時間がかかることもある。
そう!要するに、
“1番目の男”とのプレイでイイ感じにほぐれて性感が高まっている、それでいてまだ疲れきってはいないピチピチのカラダを、“2番目の男”である僕がいただいちゃう
――ということなのである。
そういうわけで、

じゃあその21時半からのやつでお願いします……
あ、コースは90分で!
聞かれる前に答えてやった。
そして午後9時。
僕はホテルに入り、店に再び電話を入れて部屋番号を伝え、マッサージチェアに座って肩を揉みつぶされつつ、「か○で」ちゃんのBカップの美乳をモミモミする情景を脳裏に思い浮かべていたのである。
ピンポンが鳴ったのは、午後9時28分のことであった。
「ハッ、君はあのときの……!」
ピンポンが鳴る。マッサージチェアのスイッチを切ってドアに向かう。開ける――その瞬間。
デリヘル嬢がホテルのドアの向こうに真の姿(フォトショップや、あの全風俗ファンが憎むアプリ「SNOW」による“加工”を経ていない文字通りの真の姿)をあらわす瞬間は、スリルとサスペンスに満ちている。
ある程度の差は仕方がないとして、その差はミクロン単位のものか、それとも……というスリル。
時には、「オレが指名したコはどこに消えたのだ?この肉塊は何だ?」という“入れ替わりトリック”に直面するサスペンスミステリー満点の日もある(いわゆるパネマジである)。
ドラマチックな瞬間なのだ。
パネマジでも地雷でもDEBUでもGARIでもなかったが…
その日、僕が直面したのは「ハッ、君はあのときの……!」的シチュエーションだった。
文字通り、僕はドアの向こうで微笑んでいる女の子に会ったことがある。
パネマジではなかった。
地雷フェイスでもなかった(目と鼻と口はあったし、各部位のフォルムもそれなりに整っていた)。
DEBUではなかったしGARIでもなかった。悪意のある顔をしていたわけでもなかった。
それでも僕は、ココロに苦みがにじみ出してくるのをどうしようもなかった、
――彼女を昔、別のデリヘルで指名したことがある。そのとき、僕はあんまり満足できなかったのである。
半年前、那須塩原市。
さかのぼること半年前の6月、とある日曜日。
親戚の集まりがあって、両親を愛車の後部座席にのせて那須塩原市に出かけた。
何かのお祝いだったと思うけれど詳細は忘れた。大した用じゃなかった。弟は「大学院のレポートが」などとあいまいなことを言って逃げた。
両親はどっちかというと親戚の集まりにかこつけて1泊2日の行楽を楽しみたかったようである。
僕はあわれな運転手だった。
やれ「竜化の滝」だ、やれ「布滝」だと山あいの道を走らされ、夜は温泉旅館で過ごすことになった。翌日は月曜日だったはずだけれど、僕は有休をとったんだっけ……?
可愛かったんだけど…
何しろそんな日だ。
夜、こっそり抜け出してラブホテルにくり出し、デリヘルで遊んだっていいじゃないか!
呼んだのは亜美ちゃん(19歳)というコだった。
Bカップの素人タイプ。「イチャイチャ混浴」が好みで、髪の長さは清楚なミディアム。健康的な色合いのつやめく肌……。
彼女は可愛かったし舌を絡めるキスもしてくれたし、乳首舐めはなかなかのものだったけれど、責めに対しての反応はうすめだった。指をむむんっと埋没させると、うーっすら顔をゆがめ、うーっすら声をあげる。体はあまり動かさない。
背も尻もぺたりとベッドにつけたまま――要するに“まぐろちゃん”だ。
フェラか手コキか素股か、僕が何のプレイでピュピュッとしたか、覚えていない。
手コキだった気がする……。
ガンガンに喘がせるプレイがしたいのに!
そして冬の宇都宮市、簗瀬町のラブホテル【フェアリーキッス】103号室。
ドアの向こうに立っていたのは、まさしくあの亜美ちゃんだったのである。
受け身のピチピチ女子を摩擦熱で燃えるほど激しく責めまくってアンアンいわせるプレイ。怒涛の汗だくプレイ。
そのイメージが儚く消えた瞬間だった。
探りを入れてくる嬢vsとぼけるはんたくん

こんばんはー。はんたさんですか。
よろしくお願いしまーす
よく言えばふんわりした感じ、そうじゃない感じで言えばぼんやりした感じで話しかけてくる「か○で」ちゃん。
どうやら僕のことは覚えていないようだ。

こ、こんばんは
お金のやり取り。インコール。そして「お風呂入れてきますね」というわけで3分後。
「か○で」ちゃんは僕の横に座った、ふかふかの上等なソファで。並んだ2人。
ひとりは――つまり僕は、
マッサージチェアに座っていたときよりも明らかに元気がない。

ご予約いただいたみたいで、
ありがとうございまーす。
写真見てくれたんですかぁ?

うん。写真見ました。
可愛いなー……と思って……

そうなんですか。
ありがとうございます……あ
「あ」?何の「あ」だろう。

わたしみたいな感じがタイプなんですかぁ?

うん。そう……かな

おっぱいちょっと小さいですけど?

うん……
いや!そんなことないじゃない。
触ってみていい?

だーめ。またあとでね
調子にのるとかわされる。
そして彼女はこう言った。

男のヒトの好みって、
半年くらいだとなかなか変わりませんよね?
意味ありげに僕を見つめてくる――あっ、この目は。
僕に気づいたな!
もちろん、笑い話にすることはできた。
「あーっ、あのときの!」
「そういえばあのときのお客さん!」
などと言い合って、指を指し合って、キャッキャ……とすることもできただろう。
でもなぜか僕はそうしなかった。
“初めて会った客”として接したほうが、良いサービスを受けられる――根拠はないが、そんなほのかな確信があった。
シャワーは丁寧だった……ちょっと丁寧すぎた。
僕があくまで“初めて会った客”として接するので、「か○で」ちゃん、僕の追及をあきらめたらしく、

じゃ、お風呂行きましょうか

行こう行こう
シャワーでは、「か○で」ちゃんは丁寧に僕の体を洗ってくれた。
すみずみまで――それこそ足の指のあいだまで。
もちろんガシガシ痛いくらいの手つきで洗われて、わきの下にボディソープのぬるぬるを残したまま「じゃ、先に上がっててね」などと言われるよりはいいけれど。
「か○で」ちゃんは優しく、

きもちわるいとこないですかー?
と聞きつつあたたかいお湯で体を流してくれるのだけれども、僕の体の一部はクールダウンしていくのである。
“混浴イチャイチャ”はちょっと楽しかった。
しかしそんなクールダウンした僕の体の一部――愛すべき僕のひとりムスコも、バスタブの熱めのお湯にひたり、「か○で」ちゃんの肌をじかに感じると勢いを盛り返してきた。単純なヤツなのだ。
そう、ヘブンネットのプロフィールにあった、彼女が好む「混浴イチャイチャ」
――これはなかなか楽しかったのである。
足を広げて膝を立てた僕のあいだに、スレンダーな「か○で」ちゃんの体が背を見せてするりとすべりこむ。
アップにまとめた髪のほつれ毛。うなじ。まろやかな肩、一点の曇りもない肌は桜色に上気している。その光景は僕を興奮させてくれた。

はんたさんはひとり暮らし?

そうだよ

宇都宮のヒト?

うん。今はそう

ふーん。家はここから近い?
何てことのない会話だ――
が、驚くべきはこの間、彼女の声の調子がまったく変わっていないことだ。
後ろから僕の手が伸び、Bカップのぷるんっとしたオッパイを揉んでいるのにもかかわらず。
乳首だって指を使ってコリコリしている。
ほんのり固くなっていくけれど、彼女の性感を刺激することはないっぽいのである。
少なくとも、彼女は敏感体質ではない――
そして、演技をするつもりもあんまりないらしいのだ。
手コキはそこそこウマかった……そこそこ。
ベッドに移動してからのひと幕には、特筆すべきことはない。舌をそれなりに絡めるディープキス。

あっ……
かすかな喘ぎ声を聞く指入れのひととき。
僕の腕をつかむ手に時折りぎゅっと力が入るので、気持ちよくないわけじゃないと思う(思いたい)のだが、反応はやはりうすい――半年前と同じく。
フィニッシュは手コキだ。
激しく汗だくでのたうち回ってイキ狂う――そんな反応は得られないまま何となく責めを終わって身を横たえると、彼女が上になってきてキス、乳首舐め、そしてキス。で、手コキだ。
救いは、彼女の手コキがウマかったこと。
性的に淡白な女性がデリヘル嬢になると、あんまり男性の性向を研究しないのが原因なのか何なのか、手コキやフェラが乱暴になりがちである。
力を入れれば入れただけ、快感が高まると思っているフシがある。
一方、「か○で」ちゃんは淡白だけれども決して不真面目なデリヘル嬢ではないし、サービス精神がある。
緩急をつけて握り、こすり上げ、イクと力をゆるめ、イキきるまで手を休めず、優しく撫でるように触ってくれたのである。
ま、とりあえずそういうわけで、僕のビミョーな90分間は終わりを告げたのだ。
評価
嬢レベル | ★★★☆☆ | レベルが低いわけではない。初めて会う人は小躍りをすることだろう。 それに、おっとり系の女の子とイチャイチャしつつ平均チョイ上のレベルのヘルスプレイを楽しみたい――そういう人にとって、彼女は“アタリ嬢”だろうと思う。 |
---|---|
プレイ満足度 | ★★★☆☆ |
手コキは気持ちよかった。「混浴イチャイチャ」は楽しかった。 星3つは固いところだろうが、少なくとも僕の場合、4つ以上にはならない。 |
|
リピート有無 | ★★☆☆☆ |
店自体は優良デリヘルだ。リピートするだろう。 しかし、同じ女の子は指名しないはずだ――少なくとも、系列店で間違えて指名しない限りは。 |